イスラエルと日本のデジタルヘルスケア

中東のイリコンバレーと呼ばれるイスラエルで、医療にIT(情報技術)を活用する「デジタルヘルスケア」のスタートアップ企業が次々と生まれている、と2020年4月6日月曜日の日本経済新聞が報道しています。人工知能(AI)で治療計画作りを支える企業など、2019年の関連企業は8年前から倍増し550社となりました。個人の医療データが蓄積され、企業が使える環境があります。日本に商機を求める動きもあり、協業が始まっています。
商都テルアビブ郊外のシェバ病院はベッドが約2千床あります。中東最大級ですが、特徴はそれだけではありません。敷地内のラボにスタートアップが約20社集まり、技術開発の一大拠点となっています。そのうちの1社にウェル・ビートがあります。薬の服用管理などのプログラムを患者に合わせて作るため、AIを活用するシステムを開発中で、実験を進めています。症状を感じにくい糖尿病などの患者は治療計画を十分守らないケースがあります。これを防ぐため、新システムでは治療や本人の行動の記録、医療関係者の意見、他の患者のデータなどを加味して本人に合うプログラムを作ります。
「現在は試作版だが、完成間近だ。」
ラビト・ラムバルデア最高経営責任者(CEO)は、話します。
サイバーセキュリティーで有名なイスラエルは、デジタルヘルスでも世界をリードするとされています。同国の非営利団体スタートアップ・ネーション・セントラルによると関連するスタートアップは550社超あり、遠隔医療や創薬支援、意思決定の支援の事業が多いようです。およそ4割の企業がAIを活用しています。欧米やアジアの投資家も注目し、イスラエルの同分野のスタートアップが2019年1~11月に調達した資金は、2014年の3倍を超す6億ドル(約650億円)と試算されています。医療分野でデジタル化が進んでいる背景には、同国政府が1990年代から主導してきた医療情報の電子化があります。個人のデータが積み上げられ、病院間で共有されています。企業は事業に必要なデータを使えます。政府は経済成長のエンジンと位置付け、2018年は産業支援に3億ドル(約330億円)の予算をつけました。ただ、イスラエルの人口は約900万人に留まっており、AIやセンサーを生かした事業の成長は他国にこそあります。そこでデジタルヘルス企業は高齢化の進む日本に照準を合わせ始めています。協業が相次いで始まっており、ヘルスケア機器のアーリーセンスは介護を受けている高齢者の転倒を予測するセンサーで日本に進出します。日本の半導体大手マクニカと共同で開発し、マクニカが2020年秋から販売します。介護施設や病院では高齢者が転倒して骨折することをどう防ぐかが課題です。実験の段階から日本で協業を始めるのがビナーです。SOMPOホールディングスとスマートフォンで撮影した顔の画像から血圧を測る技術の実用化を目指して実験を始めることで合意しました。AIを使い、皮膚の微妙な動きから分析します。日本では介護・医療現場のIT化はこれからが本番と言え、好機と言えます。イスラエル政府は日本の経済産業省と2019年1月、企業の連携を促す覚書を交わすなど、産業育成に積極的です。5年程前から中国の企業やファンドがイスラエルへの投資を進めていましたが、2019年から中国資本の受け入れをためらう動きが出ていました。米国での事業に支障をきたすと警戒しています。アジアへと進出していく上で足掛かりとなる国としても、中国に代わって日本が注目されています。イスラエルのスタートアップ勢が、日本で需要の高まるヘルスケアのニーズを補う構図が強まっているのです。

https://youtu.be/jv0HZgR8jME

以上

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